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ローヤルゼリーに含まれるロイヤラクチンとは?

ローヤルゼリーは、ミツバチの女王蜂専用の食料です。ミツバチの幼虫は、ローヤルゼリーを食べることで体の大きな女王蜂へと成長します。この女王蜂への変化を生み出す成分が、「ロイヤラクチン」と呼ばれるタンパク質です。
ロイヤラクチンには、人間に対する効果があることも確認されています。

ロイヤラクチンは女王蜂をつくるタンパク質

ロイヤラクチンは、ローヤルゼリーに含まれるタンパク質の一種であり、ミツバチの女王蜂を生み出す鍵となる成分です。

・ローヤルゼリーは女王蜂をつくりだす
ローヤルゼリーは、ミツバチの女王蜂専用の食料です。将来女王蜂となる幼虫や女王蜂だけが、ローヤルゼリーを生涯にわたって食べ続けます。
卵や孵化直後の段階では、働き蜂と女王蜂の間に差はありません。幼虫はローヤルゼリーを食べることによって、体の大きさが働き蜂の2-3倍、寿命が30-40倍もある女王蜂に成長します。また、働き蜂は卵を産むことができませんが、女王蜂は1日に1,500個もの卵を産み続けます。

・女王蜂の決定因子は長い間不明だった
ローヤルゼリーには多くの成分が含まれており、どの成分が女王蜂への変化をもたらすのかは明らかになっていませんでした。過去には糖質が分化を誘導するという説や、アミノ酸が結合したペプチドの影響を指摘する説もありましたが、物質の特定には至っていませんでした。

・鎌倉昌樹博士がロイヤラクチンの作用を発見
女王蜂への変化をもたらす物質としてロイヤラクチンが報告されたのは、2011年のことです。日本の富山県立大学の鎌倉昌樹博士が、権威ある科学誌「Nature」においてロイヤラクチンに関する論文を発表し、大きな話題となりました。

ロイヤラクチン発見の経緯

ローヤルゼリーには疲労回復効果がありますが、鎌倉昌樹博士は過去の研究から、高めの温度で保存したローヤルゼリーは疲労回復効果が消失することを確認していました。
そこで、高温で長期間保存したローヤルゼリーで幼虫を育ててみたところ、女王蜂にはならず、働き蜂に成長することがわかりました。これにより、熱で変性した物質が女王蜂への分化を誘導していることが確認されました。

新鮮なローヤルゼリーと高温で保存したものの成分を比較したところ、変性したいくつかのタンパク質の存在が明らかになりました。そのタンパク質の分析と実験によって、女王蜂の分化を決定するロイヤラクチンの存在が明らかになったのです。

また、ロイヤラクチンをショウジョウバエに与えたところ、ミツバチと同じく、体の大きさ・産卵数・寿命の増加がみられたことが報告されています。

ロイヤラクチンの性質

残念ながら、ロイヤラクチンは温度が高い状態で放置しておくと変性してしまいます。熱に弱いため、加工や保存には十分な注意が必要です。

現在、ロイヤラクチンの含有量をなるべく高く保つ輸送方法や、ロイヤラクチンが高い濃度で配合された商品の開発が進められています。

ロイヤラクチンの人間に対する効果

ロイヤラクチンは人間に対しても高い効果を発揮することが明らかになっています。

・線維芽細胞を活性化する
ヒトの線維芽細胞にロイヤラクチンを投与したところ、細胞活性が約40%向上したことが報告されています。
線維芽細胞は、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などを生成する細胞です。コラーゲンやエラスチンは肌にハリと弾力を与え、ヒアルロン酸は肌に潤いを与える成分です。
また、ロイヤラクチンを投与すると、細胞が通常よりも長生きすることが報告されています。
ロイヤラクチンは、高い美肌効果やアンチエイジング効果のある成分です。

・肝細胞の増殖を促す
ロイヤラクチンをラットの肝細胞に投与したところ、肝細胞の増殖が促進されて細胞死が抑制されたとする実験報告があります。そのため、人間の肝臓に対する効果が期待されています。
「ロイヤラクチン」という名前についても、「肝細胞を活性化するローヤルゼリー由来のタンパク質」という意味から命名されています。

・疲労回復効果
ローヤルゼリーには高い疲労回復効果がありますが、高い温度で保存すると疲労回復効果が失われることが確認されています。
高温で変性する成分はロイヤラクチンなどのタンパク質が中心であり、ロイヤラクチンには疲労回復効果があると考えられています。

まとめ

ロイヤラクチンはローヤルゼリーに含まれるタンパク質の一種で、女王蜂への分化を決定する重要な物質です。ロイヤラクチンの働きは、2011年に鎌倉昌樹博士によって明らかにされました。
ロイヤラクチンには細胞を活性化する作用があり、美肌効果やアンチエイジング効果が確認されています。ロイヤラクチンの研究は始まったばかりであり、今後のさらなる研究が期待されています。