ローヤルゼリーの歴史を知る

健康食品として高い人気を集めるローヤルゼリーは、古くからその存在が知られていました。しかし、ローヤルゼリーの利用や研究が本格的に行われるようになったのは、意外なことに20世紀に入ってからです。

ローヤルゼリーの存在は紀元前から知られていた

・人間とミツバチの歴史は古い
人間は、ハチミツや蜂の子を食料として長く利用してきました。
紀元前6000年頃に描かれたスペインのアラーニャの洞窟の壁画には、ハチミツを採取する人の姿が描かれています。また、古代エジプトの壁画にもハチミツを採取する人の姿が描かれています。
この頃は、ローヤルゼリーの存在は認識されていませんでした。

・古代ギリシャの文献に登場
ローヤルゼリーに関する記述が初めて登場するのは、約2400年前の古代ギリシャ時代です。
古代ギリシャの著名な哲学者であるアリストテレスは動物学においても優れた業績を残しており、著書である『動物誌』にローヤルゼリーに関する記述を残しています。
アリストテレスは「濃厚な蜂蜜に似た淡黄色の柔らかいもの」としてローヤルゼリーの存在を認識しており、女王蜂を生む鍵だと考えていました。

研究の開始は18世紀

ローヤルゼリーの存在は古くから認識されていましたが、利用や研究が行われるようになったのはずっと後のことです。
18世紀のオランダの生物学者ヤン・スワンメルダムは、1737年にローヤルゼリーを「唾液蜜」と名付け、色・味・香りなどについての初歩的な研究を開始しました。スワンメルダムの研究が、ローヤルゼリー研究の始まりとされています。

命名されたのは約200年前

「ローヤルゼリー」という名前が付けられたのは、今から200年ほど前です。

ローヤルゼリーと呼ばれるきっかけとなった人物は、スイスの博物学者であるフランソワ・ユ-ベル(1750年-1831年)です。彼は盲目でしたが、助手の助けを借りてミツバチに関する詳細な研究を行いました。その著書『ミツバチの新観察』の中で、ローヤルゼリーが「女王のゼリー」を意味する「ゼレーロワイヤル」と記されており、それが英訳されてローヤルゼリーと呼ばれるようになりました。

研究の本格化は20世紀に入ってから

ローヤルゼリーの研究は、1900年代からヨーロッパを中心として本格的に行われるようになりました。研究によってローヤルゼリーの効果が次第に明らかになり、1952年にフランスで初めてのローヤルゼリー製品である「アピゼールム」が販売されました。アピゼールムは薬としての効果が認められ、1954年にはフランス保健省の認可を受けています。

ローマ教皇の命を救ったことで一躍有名に

ローヤルゼリーは、1954年に起こった出来事がきっかけになり、世界中で一躍有名になりました。

当時のローマ教皇であるピオ12世は80歳を超える老齢で、肺炎から危篤状態に陥っていました。カトリック教徒を中心とした世界中の人々が容態を見守るなか、主治医がローヤルゼリーを投与してみたところ、教皇の病状が大きく改善しました。
この回復は奇跡といわれ、世界中にローヤルゼリーの効果が広まりました。この教皇の回復は1955年の国際学会で発表され、1958年には元気になったローマ教皇自らが国際養蜂会議で演説し、ミツバチをたたえるスピーチを行いました。

日本での歴史は浅い

日本でローヤルゼリーが利用されるようになったのは近年のことです。

・文献に記載されたのは明治時代
日本の文献にローヤルゼリーが登場するのは1889年(明治22年)のことです。農学博士の玉利喜造博士は著書『養蜂改良説』の中で、ローヤルゼリーを「王家の舐物」として紹介しています。

・国内の計画生産は1960年から
ローマ教皇の奇跡を受けて、1959年に日本の週刊誌が「不老長寿の新薬」としてローヤルゼリーを紹介しました。この記事は大きな反響を呼び、一般の人にもその効果が知られるようになりました。
同時期にローヤルゼリーの輸入も開始され、1960年には国内での計画生産が始まりました。

現在日本ではローヤルゼリーが健康食品として人気を集めていますが、日本でローヤルゼリーが使用され始めたのは、ほんの数十年前のことです。

まとめ

人間とミツバチとの関わりは非常に古く、ローヤルゼリーの存在も古代ギリシャ時代から認識されていました。しかし、研究が開始されたのは18世紀のことであり、研究が本格化したのは20世紀に入ってからです。
ローヤルゼリーはローマ教皇の病状を救ったことで、その効果が世界中に知られることとなりました。日本では1960年頃から利用され始め、健康や美容に効果的な健康食品として、現在高い人気を集めています。